2012年4月5日木曜日

JAMA -JAMAGAZINE-


―在米自動車メーカートップに聞く―
On the Road Together
第3回

製造開始から10年を迎えたSIA(Subaru-Isuzu Automotive Inc.)


―Team Up for Tomorrow:チームワークと品質第一の工場運営の秘訣―

 富士重工といすゞ自動車。日系メーカーの米国での現地生産という面では最後発であった両社が共同で設立したのがSIAである。現在は年間20万台の生産を行い、米国人による開発生産、工場運営なども行われてきている。
 異なった2つの企業によるひとつの工場。その順調な工場運営の秘訣は、社員をアソシエイト(仲間)と呼び、コミュニケーションを徹底的に行う姿勢と、「将来は日本人ゼロの工場運営をめざす」という現地化への取り組みにあるのではないだろうか。

文化の違いをうまくブレンド
昨年はスバルといすゞブランドを合わせて20万台近くを生産されています。富士重工、いすゞという2つの会社が同じ工場で生産する、その場合の工場運営の秘訣とは何でしょうか?
永野 工場の方針としては、品質第一ということが真っ先に挙げられます。この点に関しては、歴代社長が取り組んできました。私はこちらに来てまだ1年なのですが、諸先輩のご苦労があったからこそ、ここまでくることができました。
 モデルチェンジなどで生産量の波はありましたが、スバル、いすゞとも順調に販売が推移してきているため、現在はほぼ半々の生産となっています。SUVの人気でいすゞ車の生産比率が多い時期もありました。スバルはアウトバックの投入によって、ここにきて伸びてきました。

日本と同様の品質を確保するためにどのような努力をされたのですか? モノづくりの違いはありますか?
永野 日系企業なので、日本の生産技術と製造方式を米国で導入してきました。技能移転も同様に積極的に現地へ伝えてきています。さらに、米国式の良い点も取り入れることが重要です。例えば、決定事項は徹底的に速やかに遂行するという点では米国は優れているし、マニュアルに基づいた実行力は高く評価できます。日米双方のいいところを取り入れています。


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日本からみると、ここは富士重工といすゞという2つの会社が一緒に工場を運営しているという面がありますが、米国人にしてみればSIAという会社に働いているわけですね。SIAとしてどうコミュニケートするかという点はいかがですか。
永野 平均して月に2〜3回、直接アソシエイトの生の声を聞くことにしています。10名くらいをランダムに選んでRound Table Meetingを行い、私と人事担当取締役が直接彼らの意見を聞いています。いすゞからの堀江副社長と製造担当取締役も同様のRound Table Meetingを開催しています。 また、SIAは、社内ホットラインを設置して、苦情や意見の電話を受ける仕組みを持っており、常に耳を傾けています。
堀江 富士重工、いすゞの企業文化、さらに、米国人の出身はGM、クライスラーやフォルクスワーゲンなどさまざまで、いろいろな文化が入り組んでいますから当初の難しさはあったようです。
 しかし、車づくりの世界というのは日本も米国も基本は同じで、私個人として障害は感じませんでした。Round Table Meetingのようなシステムで、社長をはじめ幹部が直接、現場マネージャーやアソシエイトの話を聞いていますので、話し合いによる理解促進は進んでいます。さらに、米国人マネージャーは毎朝のミーティングで会社の方針事項や目標などを部下に伝えており、SIAのコミュニケーションづくりはうまくいっていると言えます。
 また、現在SIAには6名の副社長以上の日米オフィサーがいますが、給与、ボーナス、昇進の問題、組織改定の話であるとか、すべてが話し合いで決まっています。

米国人の目からご覧になって、SIAの成功の秘訣はなんでしょう。
イースタディー 異なる文化の融合と経験の結集が成功の鍵だったのだと思います。富士重工、いすゞという親会社と、さまざまな米国人のバックグラウンドとがブレンドされて、SIA独自のスタイルを生んだのです。もちろん、スバル、いすゞの販社のマーケティングや、もともとの商品開発がうまくいったこととの相乗効果があったとも言えますね。


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具体的にはどのような工夫があってブレンドできたのでしょう?
イースタディー やはり社内のコミュニケーションを良くすることが会社運営の基本ではないでしょうか。SIAでは、違った文化や新しいやり方に対して、オープンでうまく受け入れができるように、新しいアソシエイトのためのトレーニングがあります。さらに、採用時にかなり選考をしています。チームプレイヤーとして仕事ができることに加え、創造的で、革新的な考えのできる人を採用の基準にしています。
 創業以来、「Team Up for Tomorrow」をSIAのモットーにしています。つまり、一緒に仕事をして、アイデアを共有し、コミュニケートし、将来の成功を手に入れようという意味です。

SIAとしてのアイデンティティーはどのようにつくっているのですか。
イースタディー 共通の目標を設定することではないでしょうか。そのためにさまざまな方法、プログラムを行っています。
 製造では、TQM(Total Quality Management)の導入により、縦割りの作業ではなく、チームとして取り組む方法をとっています。北米で初めてISO9002、ISO14001などを取得するといった共通の目標に向かっての努力を、こうしたチームで達成したわけです。また、モデルチェンジが富士重工といすゞとで交互にあるので、チームとしてそれぞれ協力して仕事をすることも役立っています。
 また、提案プログラムでアイデアと創造力を出すことも目的を達成する方向性を合わせるのに役立っていますし、カイゼン(改善)チームもあります。


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地域コミュニティへの経済的・社会的な貢献
進出先としてインディアナ州ラフィエットを選ばれた理由は何だったのですか?
イースタディー 私は立ち上げのときから関わっていたのですが、交通の便の良さ。ミシガン、オハイオなどのサプライヤーとの距離も短く、特にインディアナは鉄鋼メーカーもあるという地の利もあります。そして労働倫理の高い従業員が多い土地柄も魅力です。また、地元パデュー大学は技術系の一流大学で、技術・エンジニアの学生の教育実習制度などを通じての交流が、学生にもわれわれにも双方にとっての利点でもあります。 
 さらに、この地域の商業用電力料金は全米でもたいへん安いので、コストも理由でした。
永野 ここはパデュー大学を中心とした学園都市で、4万〜5万人くらいが学生と学校関係� ��です。一方では、近辺にトレーラー製造の Wabash やCaterpillar、Alcoaなどの製造業もあります。
堀江 教育への関心が高く、家族にとっても住みやすいところです。
 設立当初はいろいろと心配しました。これまでにも大学に日本人がいたとはいっても、急にたくさんの日本人が住み始めたわけですから。固まって行動しちゃいけないとか、ゴルフ場でも大きな声を出しちゃいけないとか、いろいろなことを注意していましたが、2年を過ぎたあたりから地元の人たちと本当に打ち解けました。地元の受け入れもたいへん親切でした。地理的にもアクセスが良く、シカゴへ2時間半で、日本との行き来も便利です。

生産開始時期からこの10年で、地域への経済的な影響はどのようにあったのでしょう。
イースタディー 生産規模、従業員の倍増に伴い、特に地元とインディアナ州の経済・雇用への貢献には目をみはるものがあったと思います。ミシガン大の調査では、国際自動車メーカーの雇用が1人増えると、経済全体ではそのほかに6人の雇用が創出されると言いますが、そういう意味で、州内サプライヤーの雇用にも大きな影響があったと言えます。


地域社会との関わりで、最近どのような活動をされていますか?
永野 年に一度、州や町の議員、取引先などを私の自宅に招待してパーティーを行っています。また、パデュー大学の社会人カリキュラムへの支援もしています。
 地元職業訓練学校などに自動車構造訓練の教材として使うために、工場で不要となった車両の寄付なども行っています。昨年10月には地元ラフィエット市のコロンビアン・パークに児童公園を寄付し、開園式典を行いました。
イースタディー コロンビアン・パークの児童公園の寄付については、SIAの10周年記念事業の意味から、地元で将来的に世代を超えて意味のある貢献をすることを地元関係者とともに検討を重ねてきました。開園式典では、ラフィエット市市長も式典に参加し、地元メディアでも大きく取り上げられました。

従業員のためにデイケアセンター、保育施設もあると聞いていますが。
永野 SIAとしてレクリエーションセンターをつくったり、厚生施設の計画のなかでデイケアセンターもつくったりしたわけです。


SIAとしてのこれまでの地元貢献活動にはどういうものがありますか?
イースタディー SIA設立後の1987年にまず始めたのは、エンジニア専攻の学生のための奨学金制度です。毎年パデュー大学でこの奨学金運営が続いています。
 また10年前からTEECAP(Teacher Educator Exchange Cultural Awareness Program)を実施していますが、このプログラムでは毎年4名の教師を3週間ほど日本に送り、2名が富士重工の太田市、あとの2名がいすゞの工場のある藤沢に滞在して地元の学校で授業に参加したり、教師との意見交換などを行います。日本への出発前にはオリエンテーションもあり、日本文化や挨拶の仕方などを学びます。一方、太田市と藤沢市の教師もこちらに交換で滞在します。
 さらに、教育分野と文化・芸術関連を中心に、地元での企業寄付やスポンサーもしています。ラフィエット音響楽団のスポンサーでもあります。
 親会社の富士重工もいすゞも貢献活動への理解は深く、これらの活動を通じて良い企業市民との認知がSIAの事業に役立ち、地元でのリクルートに効果のあることをよくわかっています。
 ま� �企業寄付とは別に、97年には140万ドルの基金をベースにSIA財団を設立しました。インディアナ州での教育分野、福祉医療関連と文化交流や芸術振興を中心に、これまでに10万ドル以上の寄付をしています。

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